「親はあまりガミガミ言わずに、じっと子供を見守っていればい
い」というのが私の流儀ですが、新庄剛志は見守らずにはいられ
ないという子供でした。
落ち着きがないというのとは、ちょっと違うのですが、じっとし
ていない子供でした。目を離すと、何をやるかわからないところ
がありました。こんな言葉はないのでしょうが、影が薄いではな
く、影が濃すぎるぐらいに濃い子供なのです。
小学校時代には、「もうすこしで命を落とすところだった」とい
う交通事故に8回も遭っています。
あるとき、急な下り坂を自転車で飛ばしていて、ブレーキのワイ
ヤーが切れてしまったのです。加速された自転車に乗ったまま、
赤信号の交差点に突っ込んでいきました。そのとき新庄剛志は
「運を天に任せるしかない」
という気持ちだったといいますから、小さいときから、開き直る
ことは得意だったようです。
そのまま自転車ごと車に激突。死んでも不思議ではなかったので
すが、 五日間の入院ですんでいます。後遺症も残らず、ニコニ
コしながら退院しました。
あるときはトラックと正面衝突。荷台の下に巻き込まれました
が、このときも奇跡的に事なきを得ています。
おっちょこちょいなんでしょう。中学のときも、工作の時間に旋
盤に手を突っ込んで大ケガをしています。左手だったからよかっ
たんですが、あやうく野球生命を絶たれるところでした。人差し
指を切って、今でも曲がったままです。
こういう子供でしたから、目を離すことができませんでした。い
やでも見守っていないといけない存在なのです。
ただ、ケガをしたときも、不思議と私たちは、うろたえませんで
した。
「またか、しゃーないな」
という感じです。あとから聞けばゾッとするような事故なのに、
不思議となぜか、
「この子は大丈夫」
という安心感を与えてくれるところがあるんです。どこかに、
「これだけ真剣に剛志のことを見守っているんだから、神さんも
悪いことはせんだろう」
といった気持ちがあったのかもしれません。
プロ野球入りしてからも、似たようなものです。テレビで野球中
継を見ようとして、剛志はケガで欠場と聞いても、
「またか、しゃーないな」
と、二人ともあっさりした顔で見ています。
<子供のケガにうろたえない>
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【編集後記】
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子供のことを信じて親として暖かく見守ってあげることが
ガミガミいうより、よっぽど重要な教育かもしれませんね!
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